2024.12.21良木を削って磨いて、築83年の家を再生 岐阜県瑞穂市 Y様邸
結工房(白木建設株式会社)
伝統工法で建てられた築83年となる本格木造住宅。建てられた昭和初期は日本の建築技術が花開いた時代だけに、今となってはなかなか再現できない建具などの意匠も凝らされ、味わい深い家である。しかし、耐震面では石場建て(玉石の上に柱を乗せた構造)の基礎などに不安があり、Y様はこの先安心して住んでいくため補強を中心としたリノベーションを決意した。
寺社建築にも精通した工務店による確かな技術で施工
BEFORE
宮大工を抱えて社寺建築にも精通し、伝統工法の家のリノベーションも安心して任せられる白木建設に依頼。作業はジャッキアップしてベタ基礎を施工し直すところから。シロアリ被害にあった部分は新しい柱に交換も行い、南北で高低差ができていた不具合も修正された。梁などは既存のものを使うことになったが、長年を経て捻りや歪みがあったため、削って修正することに。それに合わせ、これまでの柱や建具なども徹底的に磨いていった。
当時の職人の技が光る建具を生かして
「削ったり磨いたりという手法は依頼した設計士さんの方針で、まさに目からうろこでした。まるで新築の梁や柱のようにきれいになったのです」とY様。愛着のある建具などがよみがえって再利用できることに満足げだ。
耐震補強で安心安全な住まいに
BEFORE
Y様邸は収納を多く設けたことも特徴だ。長年の生活でものがあふれていた家の中が、これによりすっきりと片付いた。リノベーションを終え、住み始めて約1年。「丈夫な家であることが実感できています。地震がきても、今はほんのちょっとの揺れを感じる程度。前にお弁当を作っている間に地震がありましたが、構わず料理を続けていたほどです。以前とは安心感が段違いになりました」と奥様。築 80 年以上の家だとは気付かないほどの変わりようだ。